早朝の内緒ゴト

 木ノ葉の里上忍待機所。午前5時。
 朝のジョギングついでに。昨日の忘れものを取りに来たガイ。
 未だ静まりかえる建物。
 部屋から人の気配。何かが床を擦る音。
 抜き足差し足で近付く。こっそり扉を押し開け。
 目だけ出して中を窺う。


 日向ヒアシ。木ノ葉最強・日向家の当主。


 ……が、姐さん被りにタスキ掛け。
 腰にはハタキが差してあり。
 いつになく真剣な顔。


 箒で床を掃いている。丁寧な仕事ぶり。
 いつも眉間に皺を寄せ。冷静沈着を絵に描いたような男。
 ガイも実は、動いている所をあまり見たことがない。
 その日向ヒアシが忙しく立ち働き、部屋を隅々まで清めあげ。


"凄いものを目撃したぞ"


 静かに扉を引き戻す。
 夢ではないかと瞼の上を擦るガイ。


"罰ゲームか?"


 まさかそんな筈は。ガイは思案する。
 日向の当主がゲームなど。
 百歩譲ってそれが事実でも。


 あの男が負けるとは考えられない。


"ならば当番か?"


 当主の掃除当番など聞いたことがなく。


"弱みを握られて?"


 この男に弱みなどあるのか。
 たとえあってもそれを他者に見せるなど。信じがたい。


 うむむと首を捻りながら。さてどうするか、考える。
 目的の忘れものは、部屋の真ん中、机の上。


 待てよ、日向と言えば。
 部下のネジにも、受け継がれている遺伝の力。白眼。
 しかも分家のネジより強力。
 本家本元・最強の宗家だ。


"バレてるんじゃないのか。俺が見てたの"


 ガイ、体中の毛穴という毛穴から冷や汗が滲み出し。
 悪いことをした訳でもないのに、何故かその場を動けない。

(終)


これは、一体なんなんでしょうか(冷や汗)。
上忍って誰だっけと考えて、
そうだ!宗家がいる!と思い、書いたのですが
そもそも、宗家って、゛上忍゛なんていう肩書きがついているのかなあ。
どういうお立場なんでしょう?
里の組織の中には属さないのでしょうか。(勉強不足)
あっ!いの・シカ・チョウ父は、上忍だった。
おおーっ!!いいな!